ノイズや摩耗に強く、制御信号と電力を同時に安定伝送できるスリップリングを展開するエヌエスディ。接触式・非接触式の2タイプを軸に、多極対応やネットワーク連携、環境耐性など、現場ニーズに応じた柔軟なカスタマイズが可能です。
本記事では、製品の特徴や用途、導入メリットを詳しく紹介します。
接触式「バウムカプラ®」と非接触式「アブソカプラ®」の2タイプを展開。どちらもノイズや摩耗のトラブルを抑え、安定した伝送性能とメンテナンス性を兼ね備えている点が特徴です。
バウムカプラ®は、銀合金点接点方式(銀を用いた点接触で信号や電流を伝える方式)により摩耗粉の発生を抑え、外部へ排出する構造を採用。ノイズや接触不良を防ぎつつ、大電流と微弱信号の同時伝送が可能です。最大5,000万回転の高耐久性で、連続運用が求められる設備に適しています。
一方、アブソカプラ®は接点を持たない磁気結合方式(磁場を利用して信号を伝える方式)で、摩耗部品が不要なメンテナンスフリー構造が特徴。通信状態を監視する診断機能により、異常時は即座に通知し、設備停止リスクの低減に貢献します。
接触式バウムカプラは標準品に加えて、要件に応じた「カスタマイズタイプ」を一台からオーダーメイドで提供しています。ラインナップには、ドラムタイプ(3TB)、手のひらサイズの小型タイプ、最大800極対応の多極タイプ(3TA)、IP67相当(防塵性能と一時的な水没にも耐える防水性能)の耐環境タイプ、既存装置に組み込みやすいタイプなどがあります。
また、CC-Link、MECHATROLINK、PROFINET、EtherCATといった主要産業用通信規格と連携可能な仕様も用意されており、コンパクト設計ながら制御信号と電力の同時伝送が可能です。高いカスタマイズ性と通信対応力により、特殊な設置環境や複雑な制御要件にも柔軟に対応します。
| 製品カテゴリ | 非接触式 |
|---|---|
| 伝送方式 | 伝送ヘッド同士を磁気結合させた非接触伝送(ガラス・樹脂など非金属が介在しても可) |
| 電源供給 | 固定側から可動側アンプへ電源供給可/可動側センサ等の機器へ電源供給可 |
| スイッチ信号伝送 | 上り/下り 各24点(上り・下りは独立) |
| アナログ信号伝送 | 2チャンネル伝送可 |
| 耐環境性能 | 伝送ヘッド部に半導体等を不使用 |
| 製品カテゴリ | 非接触式 |
|---|---|
| 伝送方式 | 電磁誘導による非接触伝送 |
| 対応センサ | 熱電対/ひずみゲージ式センサ |
| 許容回転速度 | 最大5,000 r/min |
| 防水仕様 | 防水仕様あり |
| メンテナンス | メンテナンス不要(回転寿命なし) |
| 診断機能 | 固定局アンプのパネル監視、エラー接点出力 |
| 伝送ヘッド/システム構成 | 中空型伝送ヘッド/軸端型伝送ヘッド |
| 製品カテゴリ | ー |
|---|---|
| 接点方式 | 銀合金点接点方式 |
| 伝送内容 | 大容量モータ電源と微弱アナログ制御信号の組み合わせが可能/信号と電力の同時伝送に対応 |
| 電流容量 | 1リング 10Aまで対応 |
| 回転寿命・メンテナンス | メンテナンスなしで100万回転まで使用可 |
| 保護等級 | IP65まで対応可 / 耐環境タイプではIP67 |
| ネットワーク対応 | CC-Link 対応製品あり |
| 製品カテゴリ | 小型 |
|---|---|
| 形式 | 3TEΦ17-8P/3TEΦ17-16P |
| 外形寸法 | Φ43mm×67mm(8P)/Φ43mm×112mm(16P) |
| 極数 | 8極(8P)/16極(16P) |
| 許容回転速度 | 最大 200 r/min |
| 回転寿命 | 5,000万回転 |
| 伝送信号 | アナログ・デジタル |
| 伝送電力 | AC/DC200V 3A |
エヌエスディは、接触式「バウムカプラ®」と非接触式「アブソカプラ®」の2方式を展開し、摩耗やノイズによる伝送トラブルを低減。コンパクト設計と高いメンテナンス性により、設備稼働の安定化に貢献します。
とくに非接触式のアブソカプラ®は、摩耗部品をなくしたメンテナンスフリー構造で、ロボットアームや回転ステージなど動作頻度の高い可動部におすすめです。通信監視機能により異常検知も可能で、突発停止リスクを軽減します。
仕様だけでなく依頼条件まで満たすスリップリングメーカーを選ぶには、各メーカーの得意分野を知ることが合理的なアプローチです。このメディアでは、設計者が条件に合う依頼先を見極められるよう、各社の強みを整理して紹介しています。
「一品一様」のものづくりを掲げるエヌエスディは、1台からのオーダーにも対応し、装置仕様や設置環境に応じた柔軟な提案が可能です。企画から製造・販売までを一貫して担う体制で、納期や設計の相談もスムーズ。ISO9001・14001を取得し、品質と環境への配慮にも取り組んでいます。
| 会社名 | エヌエスディ株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 愛知県名古屋市中区大須3-31-28 |
| 電話番号 | 052-242-2301 |
| 営業時間 | 公式HPに記載なし |
| URL | https://www.nsdcorp.co.jp/ |
スリップリングの選定では、組み込む装置の種類や用途によって特有の要件があります。
ここでは、現場で特に求められる条件に対して強みを持つ3つのメーカーを紹介します。

フルカスタムでしか実現が難しかった、内径φ50mmクラスの中空軸に、大電流(各極数十A級)と1,000Mbpsの高速通信の混載要件にセミカスタムで対応。
短納期かつ低コストで、性能を実現できる。
「中空型」「軸端型」など既存のセミカスタム品ベースの設計でゼロからの専用設計が不要。
ノイズ対策や寸法調整といった要件を反映でき、試作1台からの小ロット発注にも国内一貫生産体制でスピーディに対応。

外径φ22〜30mmクラスに適合し、0.3Aの通信用回路を最大18極まで選べる小型シリーズを標準品でラインナップ。
CC-Link規格準拠のモデルもあり、規格ケーブルでのダイレクト接続が可能。
余分な慣性や抵抗を抑え回転機構に組み込んでも測定誤差が生じにくい軽量・低トルク設計。
質量26g・起動トルク0.005N·mのモデルなどがあり、回転ステージや治具でも精度を維持できる。

CTなどの大型医療装置のフレームを貫通できる内径1,397mmに対応。
限られた設計空間にも組み込めるため、既存の筐体寸法の制約内でも回転部の構成が可能。
最大1,000V・300Aの電力と、合計80Gb/s超えの画像データを、1台で同時伝送。
CTスキャナのX線管や冷却系を支えながら、装置内部の配線を簡素化できる。