電力・信号伝送と光学データ通信を融合した大型スリップリングを提供している日本ムーグ。1,000V・300Aの大電流と、1極あたり最大5Gbpsの高速光学データ転送を同一筐体内で実現します。
日本ムーグのスリップリングの特徴や製品例について調査してまとめました。
最大内径1,397mmまで対応可能な大口径設計のセミカスタムモデルをラインナップしています。そのため、既存のCTガントリの開口部を活かしたまま組み込むことが可能。
電力・信号・データ伝送用の光ファイバーロータリージョイント(FORJ)を一体化することで、装置内部の省スペース化と設計の自由度向上に貢献します。
電力回路は1,000V/300Aを伝送。スリップリング内に高速データをやり取りするための光ファイバー(高速光学チャネル)を統合しており、1極あたり最大5Gbpsのデータ転送ができます。光学チャネルを束ねる多重化によって、80Gbpsの帯域を確保可能です。
従来は別配線が必要だった電力系とデータ系を一体化することで、装置内部の配線工数を削減。メンテナンス性も向上させています。
| 製品カテゴリ | 大型 |
|---|---|
| サイズ範囲 | 内径最大127 cm 長さ最大45.7 cm |
| 回転速度 | 直径により異なります |
| データ信号速度 | 電気: 直流で最高 50 Mb/s NRZ 光学: 光学チャンネル当たり50 Mb/s ~ 1.32 Gb/s |
| 回路数 | 用途とスペースによって異なります |
| 電力 | 最大480 V、数百アンペア |
| 定格信号オプション | ±10 V、±10 mAおよび4~20 mA |
| 製品カテゴリ | 小型 |
|---|---|
| 回転速度 | 250rpm |
| 回路数 | 6、12 |
| リード線長さ | 300mm |
| リード線の太さ・種類 | AWG#28 テフロン®絶縁被覆撚り線 |
| 電圧 | DC120V |
| 許容周囲温度範囲 | -40°C~+80°C |
| 接点材料 | 金 |
| 定格電流 | 1リング当たり最大2A |
| 絶縁耐力 | 500Vrms (全組み合わせ共通) |
| 絶縁抵抗 | 最低1,000MΩ (DC500Vの場合) |
| ノイズ | 最高60mΩ (DC6V、50mA、5rpmの動作条件にて試験した場合) |
| 製品カテゴリ | 高速 |
|---|---|
| 回転速度 | 0~10,000rpm |
| リング数 | 最大10本 |
| 電気接続 | ロータ側:AWG#30(19/42) リード線 ステータ側:はんだ端子 |
| 電圧 | 微弱なmV域~DC100V |
| 最高許容周囲温度 | 1,000rpm超の場合、50°C 1,000rpm以下の場合、80°C |
| 接点材料 | 貴金属 |
| 定格電流 | 1リング当たり最大1.0A |
| 絶縁抵抗 | 1,000MΩ (DC500Vの場合) |
| 電気的ノイズ | 20mΩ (DC6V、50 mA、5rpmの場合) |
| 冷却 | 不要 |
| 製品カテゴリ | 中空型 |
|---|---|
| 回転速度 | 1,000 rpm |
| 電力回路 | 最大24個:30 A/600 V |
| 信号回路 | 最大100個:5A / 250V |
| 端子 | 電力回路:AWG#12フライングリード 信号回路:AWG#20フライングリード |
| 取付方法 | 軸取付け式 |
| 温度範囲 | -20°C~+90°C |
| 絶縁耐力 | 1,000V、50 Hzにて10秒間 |
| 絶縁抵抗 | >200MΩ (DC1,000 Vの場合) |
日本ムーグの大型スリップリングは、最大内径1,397mmの大口径に数百A級の電力伝送とGb/s級の光学データを統合。既存ガントリの開口部を活かしつつ、大電流と大容量データを一体で扱えるため、省スペースと性能向上を両立できます。
従来は電力線とデータ線を別々に確保する必要がありましたが、光学チャネルの多重化により配線工数を削減。CT装置や大型回転機において「省スペース化」と「高性能化」という相反する要件を同時に解決する選択肢です。
仕様だけでなく依頼条件まで満たすスリップリングメーカーを選ぶには、各メーカーの得意分野を知ることが合理的なアプローチです。このメディアでは、設計者が条件に合う依頼先を見極められるよう、各社の強みを整理して紹介しています。
米国Moog Inc.の日本法人として1970年に設立されたのが日本ムーグです。神奈川県平塚市を拠点にモーションコントロール製品の設計・製造を行っています。
航空宇宙から産業機械、医療機器まで幅広い分野で培った制御技術が特徴。「顧客と共に限界を越える」を理念として製品を提供し続けています。
| 会社名 | 日本ムーグ株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 神奈川県平塚市西真土1-8-37 |
| 電話番号 | 要問い合わせ |
| 営業時間 | 要問い合わせ |
| URL | https://www.moog.co.jp/ |
スリップリングの選定では、組み込む装置の種類や用途によって特有の要件があります。
ここでは、現場で特に求められる条件に対して強みを持つ3つのメーカーを紹介します。

フルカスタムでしか実現が難しかった、内径φ50mmクラスの中空軸に、大電流(各極数十A級)と1,000Mbpsの高速通信の混載要件にセミカスタムで対応。
短納期かつ低コストで、性能を実現できる。
「中空型」「軸端型」など既存のセミカスタム品ベースの設計でゼロからの専用設計が不要。
ノイズ対策や寸法調整といった要件を反映でき、試作1台からの小ロット発注にも国内一貫生産体制でスピーディに対応。

外径φ22〜30mmクラスに適合し、0.3Aの通信用回路を最大18極まで選べる小型シリーズを標準品でラインナップ。
CC-Link規格準拠のモデルもあり、規格ケーブルでのダイレクト接続が可能。
余分な慣性や抵抗を抑え回転機構に組み込んでも測定誤差が生じにくい軽量・低トルク設計。
質量26g・起動トルク0.005N·mのモデルなどがあり、回転ステージや治具でも精度を維持できる。

CTなどの大型医療装置のフレームを貫通できる内径1,397mmに対応。
限られた設計空間にも組み込めるため、既存の筐体寸法の制約内でも回転部の構成が可能。
最大1,000V・300Aの電力と、合計80Gb/s超えの画像データを、1台で同時伝送。
CTスキャナのX線管や冷却系を支えながら、装置内部の配線を簡素化できる。